踊りませんか。

きれいなもの至上主義

飛行機に乗り遅れた話

今日はムラでお茶会だ。

わたしは東京に住んでいるので、ムラでの公演を観たりイベントに参加したりするには遠征をすることになる。

独身でスケジュールも比較的自由になる(というかスマホとPCさえあればだいたいどこでも仕事ができる)職業という身分をフルに活用して、どの公演でも初日・お茶会・千穐楽の3回を目安に遠征をしている。泊数はまちまちだが、贔屓がバウ主演をしたときは躊躇なく4泊5日×2セットをキメた。仕事はリモートワークとかを活用してなんとかした。インターネット環境の発達には感謝しかない。

そのときの話はまたおいおい書くとして、その移動に使っているのはだいたいの場合飛行機だ。

新幹線の方が安いんじゃないかと思われがちだが、飛行機は意外と安い。特にかなり早い時間の便を75日前とかに取ると羽田-伊丹間で1万円を余裕で切る。あとANAJALに比べて陸でもマイルが貯めやすいので、わたしは専らANAを使っている。

 

そして今回、その飛行機に乗り遅れた。

 

経緯

 …と書いたものの、別に大した経緯は無い。

たまたま仕事がめちゃくちゃに忙しい時期と遠征が被ってしまい(繁忙期というものがない仕事なのでいつ忙しくなるかが予測できないのだ)、前日深夜まで会社で打ち合わせに勤しんでいた結果寝るのが遅くなって寝坊したというただそれだけだ。その打ち合わせは休日出勤のもと開催されていたので恨みしか残らない。土曜朝の便は危ないと思って日曜朝入りにしたわたしの配慮がパァである。

地獄のような打ち合わせを終え、家に辿り着いたときから薄々嫌な予感はしていた。飛行機は7時に離陸するから遅くとも6時少し前には家を出なければならない。そして今は1時半。更にわたしは滅法朝に弱いと来ている。「いっそ寝ない方が」とも思ったが、お茶会中に眠くなるのだけは避けたかった(※今思えばお茶会というだけで変なテンションになって眠くなることなどありえないのだが)。結果、少しの不安を残しつつ、わたしは寝ることを選んだ。これがいけなかった。

目が覚めたのは6時半。時計を見て最初に出た言葉は「うわまじか」である。人間本当にヤバいと思うと面白いことの一つも言えなくなるのだ。というかそんな面白いことがどうとかを考えている場合ではない。チケット出しは10時半に始まる。なんとかそれまでに、つまりあと4時間で宝塚大劇場に辿り着かなければならない。

 

選択

タカラヅカに向かうに当たって、飛行機に乗り遅れた(乗り遅れることが確定した)場合の対処にはいくつか選択肢がある。

 

  1. 乗る予定の飛行機が出発前であれば電話して予約を変更してもらう(※変更可能な航空券のみ)
  2. 別の飛行機を取り直す
  3. 新幹線を使う 
  4. 全てを諦める

 

今回わたしは割引料金で航空券を取っていたため、1の選択肢は取れない。あと4とかまじ有り得ない、だってわたしのための座席はもう用意されているのだ。残された2と3について、どちらを取るかの選択だった。

 

  • 新幹線なら1.3万円くらい、飛行機だと2.5万円くらい
  • 新幹線は2.5時間くらいかかる、飛行機なら1時間程度で着く
  • 羽田空港までは家から50分くらい、東京駅までは20分くらい
  • 伊丹空港から劇場まで、新大阪から劇場まではいずれもおよそ30分強

 

ざっと以上のような条件だが、わたしは慌てていたし急いでもいたので即座に乗換案内で検索をした。

https://itunes.apple.com/jp/app/乗換案内/id299490481?mt=8

 

慌てていたのでいつもならあまりしない自宅の最寄り駅⇒宝塚というばっくりした検索指定。それが良かったらしい、最近の乗換案内はすごくて飛行機を使った方が早いのか新幹線でも間に合うのかを出してくれる。そのうえ航空券の空席照会ページへのリンクも付いている。検索結果を見たら、新幹線だとかなりリスクが高いとのことだった。一方飛行機なら8:30の便に乗れば間に合う。これしかない!

即座にわたしは飛行機を予約した。2.5万円くらいが消えていったが、もう睡眠時間を買ったと思うしかなかった。大丈夫、わたしの睡眠にはそのくらいの価値はある。

このとき6時50分頃。8時に羽田に入るには間もなく家を出る必要があったが、荷造りもしていないしなにより今日はお茶会なので風呂に入っていないとかあり得ない。前夜疲労に負けて風呂に入らず気絶してしまったので、身繕いの時間も取りたかった。もういい、羽田にはタクシーで行く(所要時間30分程度)。これでだいたい40分は稼げた。

11時公演を観てソワレは観ずにお茶会だから、着替えやメイクはホテルでできる。とりあえずシャワーを浴びてそのへんの遠征グッズを掻き集め、わたしは家を飛び出した。

 

結果

公演には普通に間に合った。贔屓は今日もあまりに可愛かった。日頃飲んでいるサプリは全部家に置いて来たが、別に1日飲まなかったところで死ぬわけではないので不問とする。それ以外は愛用のリップを忘れて来たくらいで、これもむしろ新しい色を試したかったタイミングだったので買う口実ができてよかった。前週も使った遠征バッグを片付けていなかったのが功を奏して「忘れたら死ぬ」みたいなものはだいたい忘れずに済んだ。それで言うと今の世の中、忘れたら死ぬなんてものはほとんどないのかもしれないけど。

 

学び

  1. 割引航空券で飛行機に乗り遅れたときはとにかく一回乗換案内
  2. 「開場時間に間に合うならば金に糸目はつけない」という腹の括り方が重要
  3. 「金に糸目はつけない」という判断を下すためにも、日頃の節制は大事
  4. ときにはズボラも身を助ける
  5. とにかくなんとかするという気概と金

あとやっぱりマツエクは超便利。まつげがあるだけでだいぶ顔にメイク感が出るので、もうマツエク無しでは生きられないしまつげの育毛に励みたいと思います。

 

現場からは以上です。お茶会に行ってきます。

 

〈2/19追記〉

贔屓のお茶会は素晴らしかった。素晴らしく美しく素晴らしく可愛く素晴らしく真面目で、少しずつ我々の前で自然体を見せられるようになってきている、そんな彼女が神々しくて同じ空間の空気を吸えたことが奇跡だと思った。

そんなお茶会気分を引きずったまま伊丹空港で保安検査場を通過しようとしたら、なんとエラーが発生。よく分からないままカウンターに回され、「あの…保安検査場で止まってしまって……」と恐る恐る申し出ると係の人は端末で情報を確認しながら言った。

「あ、行きの飛行機乗られてませんか?」

「(ヒェッ…)アッ…そうなんですすみません…」

「行きに乗られてないとご本人確認が必要なんです(手早い処理)、こちらで通ってください」

「ア……すみませんでした………」

というわけで、空席を作ってしまったということに極端に弱いヅカヲタのメンタルにはかなりキツいやりとりを経ないと帰りの飛行機に乗れないのである。(キャンセル待ちで埋まっていたとしても、なんか気持ち的にキツい)あと出発時間が迫っているとマジで焦るので、旅作で航空券を取った人は寝坊にはほんと気を付けましょう!!!(泣)