踊りませんか。

きれいなもの至上主義

退団公演日記 4/7〜4/11

気持ちの優先順位は公演>ゼルダ姫救出>仕事なのだけれども、この中でどんだけ待たせても大丈夫なのがゼルダ姫の救出だけなので後回しになってしまって悲しい。本当はハイラルと宝塚の往復運動だけしていたい。終わりどきを見失って観劇に差し支えそうなので血の涙を流しながらSwitchを自宅に置いてきています。

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最近旧Twitter現Xでバビバビうるさくて恐縮です。バビントン姉弟が、今アツい。というのも歌劇の座談会で「義理のきょうだいである」という情報を得たからで、いやでも自分に都合がよすぎて妄想かもしれない気がしてきたな……確かに創造神マサツカ先生がおっしゃっていたと思うんですが……今手元に歌劇がなくて(遠征中だから)確認できないが、わたしの妄想でなければどうもあの二人は義姉弟らしいのである。もともとマクシマスの不器用ながらもエゼキエルを奥の方では気遣っているふうの声色にグッときていたので(最後の「姉さん!」がアツい。それまで名前で呼んでたのに最後だけ姉さんかよ〜〜負けを悟ってバビの雪辱とか色んなものが肩から降りちゃってるじゃ〜〜んそしてそういうの降ろしたら「姉さん」呼びなのか〜〜)、義理と聞いては尚更である。恋愛関係になってほしいというわけではなく、やっぱり生まれた時からそこにいる遺伝子的にもほぼ同じ人間と、親族ではあれ多少距離のある人とそれなりに育ってから出会った(※妄想です)のとでは不器用な気遣いの色合いが変わってくるじゃないですか、ねえ。こちらとしては恋でも愛でもなんでも構わないが、マクシマスにとってエゼキエルはぶつかることはあっても大切な人で、そんなエゼキエルがやると決めたなら彼女の身を損なうことがあろうが「やるしかないんだ」であるというのがアツい。メアリー・スチュアートの首飾りを使った呪いにマクシマスがあまり乗り気ではなさそうだったのはきっとエゼキエルの身を案じてのことだろう。あの性格を考えれば止めても無駄だろうからやるしかないが、それでも心配ではあるし最後降霊が失敗に終わったのには少しホッとしたのではないかと思う。「姉さん!」と駆け寄る姿にオペラがつい吸い寄せられ……でも贔屓が反対側にいるので気が散っちゃって困る。

退団公演日記 4/6

羽田空港への便が比較的良いところに住んでいるので遠征の交通は専ら飛行機派である。新大阪から宝塚までのJRは乗り間違えそうで怖いのもあってなかなか新幹線を使おうという気にならない。かれこれ10年ほど東京 - 大阪便に乗りまくっているわけだが、思い返せばいつの頃からか機内WiFiがほぼ全便で使えて当たり前になり、紙の機内誌が消え(結構好きだったわりにWEBでは読む気にならない)、事前チェックインのQRコードは細かくなった。贔屓の退団とともに流石に今までほどの頻度では飛行機に乗らなくなると思うので、今後はそういった変化を逐次実感することもなくなるのだなあと思う。別に寂しいまでは行かないが僅かに感慨はある。

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雪月の場面、数回の観劇を経てわたしの中では完全に輝夜姫(男)の場面ということになってしまった。平安時代頃のお衣装を贔屓が着ているとなんだか妄想が走るきらいがあるのだが、出発点がどこであれ結局顔面が美しすぎるせいで世俗の争いに巻き込まれて最終的に出家したり月に帰ったりするので自分の趣味の一貫性に笑ってしまう。だいたいの妄想はすぐ国家を揺るがす陰謀が関わってくるし顔面が美しいと人の欲をぶつけられて大変な目に遭います。輝夜姫(男)も美しすぎるせいでルッキズムに翻弄されなんか色々大変な目に遭った挙句月に帰るんだな……とか妄想しながら見ている。周りの皆さんは迎えに来た月人(つきんちゅ)です。どうでもいいが背景の月が下弦の月から逆回しで満ちていくところに色々深読み&こじつけしがいを感じていいなと思っている。最後に着る打掛?の長さが4mであることを歌劇でもスカステでもおっしゃっていたのであれを見るたびに「あれが4m……」と思う癖もできてしまった。大階段って上ると4mもあるんだ〜という発見もありました。

「直衣着るの初めてなので皆さんに新鮮に見ていただけると思う」とスカステでおっしゃっていて「WELCOME TO TAKARAZUKA東宝のアレは?」と思っていたが、あっちはどうやら束帯らしい。厳密〜!

退団公演日記 4/3〜4/5

わたくしごとだが(ブログも旧Twitter現Xもわたくしごとでしかないのだが)退団公演が終わったら職場を変えることになった。タイミングを合わせたわけではなく本当にたまたま話が来たから乗っかっただけなのだが、新卒から満15年もいた職場(わたしは贔屓と社会人同期なのである)を去るというのは思いの外骨が折れることであった。ありがたいことではあるがめちゃくちゃ引き留めに遭うし、そのための面談インビが飛んでくる度に胃がキュッとなるし。やめると決めることはできるが伝える段になって寂しさに襲われること、他の場所で自分がやっていけるのかという不安、新しい挑戦への期待感、などなどいきなり退団という事象への解像度が上がり、妙な巡り合わせだなあと感じたりもする。一番実感したのはやめると決めてはいても目の前の仕事はそれはそれで普通にいつも通りやれるんだなということで、「退団公演だからといっていつもと変わらない」というのは心からその通りなんだなと思った。時期が近くなってきたらまた違うのだろうか。

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現実の仕事と今後の話とゼルダ姫付き剣士としての仕事との合間に公演についても反芻している。ユリウスのいいところは下心が全然ない、あるいは感じさせないところだと思った。アデーラに縋りつかれたときに肩を抱いてやる腕にシンパシーと連帯が強く感じられるところがいい。「美しくなった」はど直球で口説いてくるじゃん……とは思ったもののあれも思ったことを言っただけという感があり、「美しい」が風景に対するそれに近いというか、アデーラのことをあんまり "女" や "恋愛対象" として扱っていないというか、全体的に「男と女」ではなく「同じものを持った人間と人間」であるから気持ちいいのかもしれない。「あなたと出会って本当に楽になりました」というアデーラの台詞が二人の関係の最大の特徴だと思う。宝塚で描かれる男女はわりと緊張関係にあることが多いと思うのだけど、こういう関係性が描かれるのはすごくいいなと思った。トップコンビの色にも合っていると思う。

退団公演日記 4/1、4/2

4/1

休演日は眠い。仕事どころじゃないと冗談で言って回っていたが本当に仕事どころではなかった。

 

4/2

登場人物が皆愛すべき人物でいいなと思う。マサツカ先生の作品に通底する "ペーソスとユーモア" が絶妙だし、ペーソス担当みたいなりんきらさんのことが大好きなのも頷ける。早い復帰を願っています。代役がやすのちゃんなのでめちゃくちゃ安心して観られるのは確か。りんきらさんより少し線が細くて神経質そうな印象で、コメディのテンポが完璧。みかこちゃんとの馴れ初めがとても気になります。

ショーの客席参加型振り付けにも慣れてきた。いつもいきなり巻き込まれるけど先に言っといて😂とは思う。言うほどの振りじゃないと思われてるのか……?

ようやく贔屓以外の人がどこにいるのかくらいは把握できるようになってきて楽しいし、なんとなく通常モードに戻ってきた気がする。ここ数作とみにりりちゃんに肩入れしているのだけど、今回も大活躍で嬉しかった。メアリー・スチュアートとってもよかったです。ご本人の雰囲気は陽気だけどどことなく湿度があるので悲哀を感じる芝居をすると胸に迫るものがある。真っ赤なドレスが瞳に映えてお似合いだけど、カトリックで赤は殉教の色だと読んで悲しくなってしまった。あとお歌もともと上手かったけど高音のコントロールが更に上手くなった印象です。この調子で活躍してほしいな〜。贔屓に捧げているのとは異なる心の部位を捧げています。

退団公演日記 3/31

2回目にして少し内容が入ってきた気がする。その結果かなりグッときてしまうところが増えて、今日はハンカチを持って行くのを忘れたので泣いたら大変なことになると唇を噛み締めて耐えた。昨日は文字列としか認識できなかった歌詞が言語として意味をなしてきて感情が揺らされている。観劇後なんだかすごく疲れた。早いうちに慣れるといいんだけど……。

とはいえ芝居は2回目の方が断然面白く観られたし(マサツカ先生の変拍子的テンポ感は初見で乗りこなすのがなかなか大変)、ショーもいつ贔屓が出てくるのかは把握できてたのである程度落ち着いて取り組めてよかった。全体の構成がようやく分かった。

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花の道の桜。お花見する余裕とか全くなさそうなので今年はここの桜だけがわたしの見た桜になりそう。

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退団公演日記 3/30(観劇後)

公演を観たあとこんなに言葉が出ないのは初めてかもしれない。作品としてはどちらも重すぎず軽すぎず観やすくて助かる、名作かどうかはさておきわたしはとても好き。でも内容についての感想が何も浮かばない、というか贔屓のことしか見てない度合いがいつもより高くて理解が及んでいないしなんなら記憶もフワフワしていて顎の力が完全に抜けている。何かを言おうとして口を開いても「あ〜」とか「いや〜」とかしか出てこない。自分では平常心でいると思っているが、多分だいぶいつも通りではないのだろうな。オペラが役に立たない震え方してた場面とかあるし。退団退団と思って観たくなかったけど結局そうしてしまった感じがある。反省。

とはいえ、今日は初日だし仕方ないとも思う。これから3ヶ月かけてゆっくり顎の力を取り戻して咀嚼していくつもり。

とりあえず、正塚先生と中村B先生とがお持ちの "良心" みたいなものがわたしはとても好きだと思いました。あと初舞台生はとにかく前途に幸あれ!

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今日は観劇後スマホが壊れて急遽機種変をするというビッグトラブルがあったので疲労。万事とりあえずは片付いたので今日は夜更かしせずにさっさと寝よう……。

退団公演日記 始まる前(3/30)

ついに始まるのである。

今日始まる、つまりあと3ヶ月とちょっとである、というのは情報として理解してはいるものの飛行機の座席についた今も実感としてはない。たぶん実感がないまま終わるのだと思う。大きなできごとはだいたいそうで、 "実感" とはなんなのか分からないままいつの間にか馴染んでいる。それが受容というものなのかもしれない。

始まるまでは終わらないけど始まったら終わるのだ。

あんまり最後だ最後だと思いながら観たくないので、いつも通りに始まって終わる公演であるという心構えで臨みたい。楽しい公演期間になるといいなー。